庭師の考える現代の庭、問いかけ

カテゴリ:庭( 7 )




道行く人

通りに面したところで庭づくりをしていました。
庭の多くは塀に囲まれていたり、奥まったところにあるので庭仕事が公衆の面前に晒されることはあまりありません。
庭とは案外プライベートなものなのです。

ところが、今回は公開庭工事の様相でした。
そうした状況に慣れていないのはじめはやりにくかったのですが、皆さんあまり気にしていないことがわかってきてからはいつも通りでした。
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最初の様子



庭づくりはまず地面作ることから始めます。
ここが大事で、また大変なところなのですが皆さんはあまり興味ないようです。

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地面づくり途中



地面ができたら次は植栽です。
この瞬間に家の様相がガラリと変わります。
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完成

「へぇ」、「わぁ」、「すごい」とか「この木の名前は?」とか。
反応があるのは嬉しいことです。
我々にとっても木の力、木の魅力を改めて感じる瞬間です。

でも、木を植えたら庭づくりも終盤です。
嬉しい声を聞ける時間は短い。

世の中にこういうことって多いですね。




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by tsuchiyasakutei | 2016-07-13 18:31 |

植えない勇気

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最近茶会づいています。先日は茶会の手伝いに行ってきました。場所は奈良公園近くの吉城園。以前から広間の茶室を貸し出していましたが、二年前に屋根をきれいに葺きなおし、建屋も修理して今は三畳台目の小間も利用出来ます。このような立派な茶室を貸していただけるのは有難いことです。立派な庭もあります。お隣の依水園の方が有名ですがここもなかなかよろしいです。依水園がよそ行きとすればここは普段着感覚の庭。見る人に何か迫るものがないので肩の力を抜いてゆっくり出来ます。特に茶室のある茅葺前の広い苔の庭が良いかと。これだけ広いのに苔だけで木が植えてありません。普通でしたらアクセントに数本でも植えたくなるもので、植えないのは逆に勇気がいります。「周囲が森だからここに木はいらない」と、言うのは簡単ですがなかなかできません。でも、ここではそれが魅力となって、のんびりとしたおおらかさが出ています。これだけの広い敷地があるのにあえて何もしないというのはかえって贅沢といえるのではないでしょうか。

吉城園ホームページ 
http://www.nara-manabi.com/yoshiki.html
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by tsuchiyasakutei | 2012-06-21 21:35 |

箱庭

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伊賀市の山中にある古民家の庭づくりをはじめています。庭づくりというよりは家周辺の環境整備といったほうがいいでしょう。家の前には元棚田と思われるポコポコとした景色が広がっています。この特徴ある景色こそがこの庭の主景と考えますが、現状はこの広い景色をさえぎるように建物近くにブロックで囲ったいわゆる庭らしい庭があります。この閉じた庭を造った理由はわかりませんが、今回の方針とは異なるため大半を撤去することにしました。現時点でこの写真よりだいぶ見通しが良くなり、ポコポコの主景が広がってきています。何を作るわけでもないけれどこれも庭づくりです。
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by tsuchiyasakutei | 2012-05-02 22:01 |

自然の石組

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飛石や階段といった用ではなく景色として石を使うことがある。それが石組といわれるもの。物言わぬ石を用いて思想を表そうとしたり、動かぬ石で動物の動きを表現しようとしたりするもの。有名どころでは京都龍安寺の石庭。ここではこの石組の庭からなにかを感じ取ろうと多くの人が訪れる。石組を理解するには見る側の努力も不可欠。「ただの石」と言ってしまえばそれ以上のものにはならない。
先日、生駒山中でこれはという石組を見つけた。自然のものか。中央の大きな傾きかけている石。前に突き出てくるような迫力を感じませんか?セリフをつけるとすればさしあたり「ガオーッ」って感じだろうか。手前の石を少し変えればかなりの名石組になるかも!?そうすればここから何かを感じとろうと多くの人が生駒山中に訪れる??わけないでしょ
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by tsuchiyasakutei | 2010-12-15 23:06 |

復元を望む

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名庭に出会いました。舞鶴市金剛院。紅葉が有名なので丁度これから多くの人が訪れるでしょう。そして、そのほとんどはこの名庭に気付かないかも。そこには「伝細川幽斎作」の石柱があるのですが、以前あった建物が今はなく、境内の一角の単なる植栽ゾーンにしか見えない。しかし、いい庭。池と築山の配置。そしてなにより石組がいい。幾つかのグループがあり、それが全体に変化をもたらしているけれど上品にまとまっている。漫然とした感じがなくとてもメリハリのきいた石組。しかし、惜しいかな、こういうものは限られた広さでじっくり付き合うもので、今のように開放されたスペースでは目に細かすぎてその良さが伝わりにくい。庭は公園ではない。建物あってこその庭。建物の復元を望む。
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by tsuchiyasakutei | 2010-11-05 12:39 |

あこがれの庭

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「うちのキンモクセイとウメが大きくなって」と、剪定仕事をしているとおばあさんが話しかけてきた。「キンモクセイは大きゅうなるからやめとけと母に言われたんや」とか「ウメゆうても花ウメやから(実がつかず)おもろないけどな」と続く。言葉だけでは通じないと思いつつも、せっかくだから木を小さくする方法を説明すると、おばあさんは理解してくれた風もないけれど何故かニコニコして機嫌がいい。そして唐突に「今、あこがれの庭つくってんねん」
この言葉でしばし手が止まった。なんて幸せな言葉だろう。そのニコニコ顔がまたいい。おばあさんが帰っても余韻はしばし残り、庭が夢として語られたことの喜びとその責任を感じさせられた。
2010・6・26
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by tsuchiyasakutei | 2010-08-15 23:53 |

借景

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有名どころでは奈良の慈光院、京都の円通寺など。いずれも開発によりその景色が変わっていくのを嘆く声が聞かれます。個人宅ではそのような雄大な借景を望めることは稀ですが、単に隣の家がいい借景になることもあります。
ある建築家が「皆、借景借景と借りることばかり言うが、自らの家が周りの借景になることを意識しているか?」と書いていたのを見て共感を覚えました。
自分のつくる庭もそうありたい。    2009・4・10
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by tsuchiyasakutei | 2010-08-13 16:36 |

奈良で庭の仕事をしています。
by tsuchiyasakutei
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